『がんとゲノム医療』の今後① ~『がん』にも個性がある!?~
2019.03.15
こんにちは
徳英の関川です。
『がんとゲノム医療』というテーマでコラムを何回か書かせていただくことになりました。
つたない文章にて分かりにくいところもあるかと思いますが、何卒よろしくお付き合いくださいませ。
第1回は、本題に入る前に、「がんにも個性と性格があるみたいですよ」という話からさせていただきます。
『がん』とは
その前に、『がん』と言われてもなんとなくしかわからないな、という方の為におさらいを…
ごく簡単に説明すれば、体の中の正常な細胞が大暴走し(=がん化)、無制限に増殖と転移を繰り返すことで正常な臓器を破壊、機能障害を引き起こす病気です。(詳しいことは弊社コラムをご覧ください!)
この暴走が大腸に発生すれば大腸がん、肝臓に発生すれば肝臓がんと言われるわけですが…
実は、一口に大腸がん、肝臓がんと言っても、『がん』それぞれ個性があるそうなんです。
『がん』にも個性がある!?
『がんのゲノム医療』の第一人者である西原広史先生(慶応義塾大学医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニット長 特任教授)によりますと、『がん』の診断確定する病理医の先生は、『がん』が悪性か良性かを見た目だけで判断するそうで、その見た目は同じ部位の『がん』でも人によって大きく違うそうです。
病名は同じ大腸がんでも、人間と同じようにあの人とこの人の大腸がんは個性や性格が違うというわけです。
人によって違う『がん』の個性、これを生み出したのは細胞を形作る設計図である遺伝子に傷が入っているからです。
傷が入っている遺伝子が人によって違うので、『がん』にも個性が生まれています。
そして、傷の入った遺伝子が、細胞を暴走させて『がん』となり臓器や体を壊していきます。
この暴走を引き起こす異常な遺伝子は、専門用語で『ドライバー遺伝子』と呼ばれています。
細胞を車に見立て、暴走する車を運転しているドライバー=異常な遺伝子というわけです。
この個性豊かなドライバー達をなんとかして止めれば、細胞も増殖を止め、『がん』を撃退することができるのではないか…
こういった考えから生まれているのが、昨今巷を騒がせている『がんのゲノム医療』です。
次回は『がんの治療法と分子標的治療薬』についてご紹介します。