秋明菊に想う
2023.11.01
硬かった蕾が何の素ぶりも無く、ぱっと咲くのは嬉しい驚きだ。
酷暑続きの後に到来した急な冷え込みのせいで、なかなか咲かなかった、庭の秋明菊が、今朝やっと咲いた。
秋明菊と聞くと菊の一種のようだが、実はキク科ではなく、アネモネの仲間だそうだ。
確かに菊とは花びらが違っており、その楚々とした白い花は、娑羅(しゃら)や木槿(むくげ)に似ている。
ところで、花には、見るからに大きく華やかなものと、この秋明菊のように、小さく控えめなものがあり、それぞれの個性が私は好きである。
つい先日、長い闘病の末、義妹が旅立った。温かい人柄の彼女は、可愛いだけでなく聡明で、その高校時代を知る人によると、マドンナ的存在だったらしい。
今、その大輪の花が散ったような心境だが、秋明菊が咲いたのは、その矢先。
見るたびに心癒される。
これからも秋明菊は、私にとってますます忘れられない花になるだろう。
終