コラム

『がんとゲノム医療』の今後③ ~爆撃から狙撃へ がん治療の発展~

2019.03.19

こんにちは
徳英の関川です。

前回の終わりに「もっとピンポイントにがん細胞だけを攻撃できる方法を」という研究から生み出された、標準治療に続く第4・第5・第6の治療法、『免疫療法』『ウィルス療法』、そして『分子標的薬によるゲノム治療』について、少しだけ触れましたが、
第3回はこの『第4・第5・第6の治療法』についてのコラムになります。

第4の治療法『免疫療法』

『免疫療法』は、体の持つ免疫機能を補助・強化することで『がん』を治療しようという治療法です。
有名なのは、『オブジーボ』に代表される『免疫チェックポイント阻害剤』です。

暴走をしているがん細胞は免疫細胞にとって敵のはずですが、がん細胞は免疫細胞から狙われないように、特殊なたんぱく質を用いて正常な細胞のフリをしています。
『免疫チェックポイント阻害剤』はがん細胞のフリを見抜く力を免疫にあたえ、免疫機能が効率的にがん細胞を攻撃するようにする薬です。

抗がん剤に比べれば必要な薬の量や副作用は少ないことに間違いありませんが、免疫機能を制御できずに正常な細胞を攻撃することもあり、思わぬ副作用を引き起こした事例も報告され始めています。

第5の治療法『ウィルス療法』

『ウィルス療法』は、ウィルスを『がん』への薬を運ぶための運び屋として使うことでより的確に到達させようという治療法です。
ウィルスを自動で誘導されるミサイルとして改造し、その弾頭に抗がん剤や正常な遺伝子を閉じ込めるというわけです。

以前はウィルスという生物を道具としている為、制御できずに誤爆する(=副作用が出る)恐れがありましたが、現在はより安全なウィルスが作成できるようになり、新たな治療法として注目を集めています。

第6の治療法『分子標的薬によるゲノム治療』

『分子標的薬によるゲノム治療』は、分子標的薬によってドライバー遺伝子(細胞の暴走を引き起こす異常な遺伝子)をもった細胞のみを狙撃することで、より精密に、より小さな副作用でがんを治療しようと言う治療法です。
それぞれの遺伝子の異常に合わせた分子標的薬が開発され、実際に使われ、劇的な効果が認められた患者さんも出始めています。

しかし、現在の分子標的薬は、「この臓器のこのがんならおそらくこの遺伝子が異常だからこの分子標的薬が効くはず」という統計的な指標に基づいて行われており、どの分子標的治療薬が効くかは調べて投与してみないとわからない状況にありました。
だいだいのアタリをつけて次々に使えばそのうち当たる、というわけです。

この、一つの異常遺伝子を調べ、効果があると分かれば投薬する方法を『コンパニオン診断』といいます。
運が良ければ一回2週間の治療で効果がでますが、ハズレの場合は患者さんのお金はもとより、何より貴重な『時間』が浪費されてしまいます。

人によって違う異常な遺伝子を一気に調べる方法はないのか…。
近年の技術の進歩はそれを可能にしました。
それが『がん遺伝子パネル検査』です。

次回は『がん遺伝子パネル検査』についてご紹介します。

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