小江戸川越の老舗料亭『料亭 山屋』代表取締役 松山 潤 様インタビュー(後編)~『越えていこう、川越』プロジェクトについて~
2020.12.10
こんにちは、徳英の菊地です。
今回は小江戸川越の老舗料亭『料亭 山屋』代表取締役であり、『公益社団法人小江戸川越観光協会』副会長の松山潤様に、川越市内外で大きな話題を集めた『越えていこう、川越 ポスタープロジェクト』についてお話しいただきました。
『越えていこう、川越』ポスタープロジェクトについて
新型コロナウイルス感染拡大による影響で、川越市内の多くの事業者や団体等が大きな打撃を受けました。
今後の情勢に留意しつつも活気ある市内経済や観光を取り戻していくため、未来に向けての強いメッセージを市内外に発信していくプロモーションとして『越えていこう、川越』のコンセプトポスター作成を行いました。
このプロジェクトは、小江戸川越観光協会(以下 観光協会)が主催となり、川越市・川越商工会議所(以下 商工会議所)』の協力によって実現しました。
川越市内に事業所(住所)を有する企業および団体・個人を対象に、先着1,000社・者から応募を募りました。
7月より開始したプロジェクトですが、多くの方にご賛同いただき、おかげ様で作成されたポスターは1,000枚を超えました。
※2020年11月30日(月)をもって、お申し込みは締め切りとなりました。
プロジェクト発足の経緯
きっかけは川越氷川神社の第23代宮司・山田禎久氏の言葉から
越えていこう
「川を越えて、たどり着く」
川越という地名はその地形から名づけられた、と言われています。
周囲を川に囲まれた特徴を活かし、この町の経済や文化は大いに発展しました。
しかし、私たちの先祖が「越え」たのは、川ばかりではありません。
長い歴史の中で、いくつもの危機に見舞われながら、その度に、力強く乗り「越え」てきたのです。
蔵造りの町並み・時の鐘・川越まつり…。
どれも大火などの苦難を越えて、復興の証として生まれました。
私たちは思うのです。
かつてこの地に生きた先人たちと同じように、かならず、今の困難を克服できるはず、と。
「越える」を地名に持つ「川越」ですから。
越えていこう、川越。
まず初めにこの言葉がありました。
川越氷川神社の第23代宮司・山田禎久氏が緊急事態宣言解除直後の想いを綴った言葉です。
コロナ禍の緊急事態宣言が解けたとはいえ、7月に入り日増しに感染者の数が増加傾向にあり、日常生活における感染の危険性、経済的な打撃の大きさからくる不安は計り知れません。
「頑張らなくてはいけない」「我慢しなければ」という気持ちはみなさん同じだと思いますし、そんなことはわかっていると思います。
ポスターを使ったプロモーションを計画
今できることは何かを考え、山田宮司の言葉を川越市内外に発信し、みんなを元気づけ、「川越は一つになって頑張っているんだ」ということを見せていきたいと考えました。
「想い」は活字や画像で感じることによって勇気づけられ、強くなると考え、ポスターを使ったプロモーションを計画しました。
ポスターだけでなく、SNS、YouTube動画など、あらゆるメディアによる発信と情報のシェアを行うことによって、メディアにも取り上げられやすくなると考えました。
コロナ感染予防を守りながら、この状況をなんとか克服しようと一丸となっている川越を外に発信し、ひいては川越を訪れようという気持ちを喚起することができると確信していました。
プロジェクトの内容
山田宮司の言葉を載せたYouTube動画を作成し、そこにアクセスするためのQRコードを載せたコンセプトポスターの掲載を街中に行いました。
ポスターはA2サイズで、1枚ごとに異なるものを大判プリンターで制作しました。
プロジェクトの趣旨にご賛同いただいた方は、各店・個人毎に制作費1,000円ご負担いただき、オリジナルのポスターを店頭等に掲示してもらい、ポスターの画像はFacebook、Instagram、Twitterを使い日々拡散していきました。
そして、YouTube動画が完成後、QRコードを通じて動画を配信していきました。
ポスターは店頭以外にも、縮小版ポスターを川越駅自由通路や川越市中央図書館の3階に展示しました。
※川越駅は現在工事中のため展示をしていませんが、12月下旬頃より展示再開を予定しております。
11月30日(月)をもちまして、ポスター制作のお申し込みは締め切りとなり、ポスターの数は最終的に723デザイン、1,625枚となりました。
プロジェクト成功の要因
観光協会・川越市・商工会議所の連携により早期実現
今回のプロジェクトを早期実現するためには、観光協会・川越市・商工会議所の連携が必要不可欠でした。
川越市長にも直談判をして了解をいただき、観光協会・川越市・商工会議所それぞれの「川越を元気づけよう」という気持ちが一致することによって早期実現することができました。
ポスターの趣旨を理解していただいた
ポスターの趣旨として、「コロナ禍を乗り越える決意」を表す写真とお願いをしていました。
中には商業目的や宣伝目的で参加された方もいらっしゃったかもしれませんが、多くの方に趣旨を理解していただくことで、メッセージ性の強いポスターが多くできたと思います。
制作費用の参加者負担を1,000円に設定
1人でも多くの方にご参加いただくために、参加者にご負担いただく金額は1枚1,000円に設定しました。
(2枚以上ご希望の方は2枚目以降1枚につき+2,000円)
ポスター1枚当たり制作するのに2,000円以上かかりますが、不足分は観光協会・川越市・商工会議所で負担しました。
制作費だけでみると赤字となってしまいましたが、結果的に多くの方に参加いただくことができました。
今後の取り組みについて
今回の我々のプロジェクトチームに刺激されて、商工会議所の組織活性化委員会はマッチング事業の準備を進めています。
例えば、食べられるのにやむをえず廃棄されてしまう得ず食材を、必要としている人に格安で提供するといった事業です。
食材に限らず、あらゆる業種をマッチングさせ、経済・環境両方の面で川越を良くしていきたいと考えています。
また、2年後の令和4年(2022年)は川越の市制100週年を迎える節目の年となりますので、川越を盛り上げていきたいと思います。
「越えていこう、川越」公式ホームページ
https://koe-kawa-project.jimdofree.com/