がんのリハビリについて~大腸がんの事例~
2019.10.18
こんにちは
作業療法士のR.S.です。
今回はがんのリハビリについてのお話です。
がんは体の様々な場所にできます。
特に消化器系のがんは近年増加傾向にあります。
大腸がんの事例
大腸のがんでは手術で大腸の途中部分を摘出してしまうので、お腹の横に『人工肛門(ストマ)』と呼ばれる排便のための部位を新たに作ります。
Aさんは、直腸のがんで人工肛門を増設しました。
人工肛門から便が排出され、バッグに便がたまったら、バッグから便を絞り出す必要があります。
しかし、この便を絞り出すのが一苦労。
Aさんは利き手の過去に脳梗塞を患っており、右手が不自由でした。
そこで、看護師からリハビリに相談が来ました。
「Aさん右手が使えないからストマをきちんと処理できないんです」
Aさんの右手は親指の先と人差し指先で物を軽くつまむ動作をするのが精一杯でした。
そこでバッグ内の便を絞り出すときに右手で薄いバッグをつまんでおけるよう訓練を開始しました。
2週間程でAさんの右手は薄い物をつまめるようになり、バッグから上手に便を絞り出せるようになりました。
このようにがんのリハビリは単に体力づくりのための物だけではなく、生活に必要な動作を再獲得していく一連の過程でもあります。
この記事は作業療法士のR.S.様監修のもと作成しています。
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