がんゲノム医療の保険適用時の検査代は?
2019.07.19
こんにちは
徳英の菊地です。
以前コラムで紹介したがんゲノム医療の『パネル検査』に6月から公的な医療保険が認められました。
がんゲノム医療の『パネル検査』について詳しく知りたい方はこちらのページを参照ください。
今回はがんゲノム医療の保険適用時の検査代について調べました。
『パネル検査』が保険適用
患者から取ったがん細胞を分析して100種類以上の遺伝子の変異を調べ、治療薬を探るがんゲノム医療の『パネル検査』に、6月から公的な医療保険が認められました。
保険適用された検査は、国立がん研究センターが中心となって開発した『NCCオンコパネル』と、アメリカで開発された『FoundationOne(ファウンデーションワン)』です。
いずれも実施料8万円、検査の判断や説明の技術料48万円で、1回の検査あたり計56万円になります。
高額療養費制度の対象になるので、年収370万~770万円の人の場合、自己負担は8万3000円程度です。
ただし、検査を受けるには多くの制約があります。
パネル検査の対象は、標準的な治療法がない患者や、一般的な治療をしてもがんが転移してしまった患者などに限られます。
実施できる病院は現在、がんゲノム医療中核拠点病院と連携病院の計167病院で、データの利用や管理についても条件があります。
保険診療外の費用は?
保険診療外の国内で受けられるパネル検査もあり、東京大学と大阪大学では、通常の診療と並行する形で受けられる先進医療として行われています。
通常の治療と一緒に受けることができない自由診療も、慶応義塾大学や京都大学などで受けられます。
こうした検査にかかる数十万~100万円の費用は自己負担です。
ただし、パネル検査を受けても、実際の治療までたどり着ける患者は1~2割程度ですので、自由診療の場合は特に、事前に医師とよく相談して、本当に必要か見極めることが重要です。